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世界の医療団とは?

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世界の医療団とは?

世界の医療団(メドゥサン・デュ・モンド:略称MDM)は、フランス出身の小さな医師グループが、治療すると同時に彼らが目撃した人権侵害行為に対してアクションを起こすべく設立したものです。

- 誕生

ナイジェリアのビアフラ戦争の被害者救済のため、多くの医師たちが赤十字のもとで医療支援活動に携わりました。この活動を通して、赤十字の理念である守秘義務に疑問を感じた数人の医師たちは、より自由に発言や支援活動を行う団体が必要と考え、1971年、国境なき医師団を設立しました。

1970年代末、国境なき医師団のフランス人医師たちはベトナムを逃れるボート・ピープルの救助に向かいました。その際、数人の医師たちは、大型船をチャーターし、医師だけでなくジャーナリストも乗せ、ボート・ピープルの治療を行うとともに、目の前で繰り広げられる人権侵害も告発するべきだと主張しました。しかし、この活動はあまりにも宣伝的であると、国境なき医師団の幹部から批判を受けました。そこで15名の医師たちは、治療だけではなく、現状を証言することも使命とする新しい団体の設立を決めました。こうして1980年、フランスにて世界の医療団が設立されました。

- 世界の医療団国際ネットワークの歴史

フランスでの設立を皮切りに、ヨーロッパをはじめ、アメリカ、アジアなど各地域で世界の医療団が設立され、ネットワークは拡大の一途をたどります:

-  世界の医療団アメリカ: 1987年
-  世界の医療団スイス: 1988年
-  世界の医療団スペイン : 1990年2月
-  世界の医療団ギリシャ: 1990年6月
-  世界の医療団イタリア: 1993年
-  世界の医療団キプロス: 1995年5月
-  世界の医療団スウェーデン : 1995年
-  世界の医療団オランダ: 1997年4月
-  世界の医療団アルゼンチン : 1998年
-  世界の医療団イギリス: 1998年1月
-  世界の医療団ドイツ: 1999年3月
-  世界の医療団ポルトガル: 1999年5月
-  世界の医療団ベルギー: 1999年5月
-  世界の医療団カナダ: 1999年5月
-  世界の医療団日本: 2000年10月

これらの団体は世界で最も弱い立場にある人々を治療し、彼らの現状を証言することを使命として、自国内はもとより世界各地においても医療支援活動を行っています。性別、年齢、人種、宗教、国籍、政治、思想の壁を越えて、世界で最も弱い立場にある人々に手を差し伸べているのです。

世界各地で実際に支援活動を行う団体は、国際代表部と呼ばれ、支部と呼ばれる機関と連帯して、「治療」と「証言」という二つの使命の実現を目指して活動しています。各支部(MDMドイツ・MDMイタリア・MDM日本・MDMオランダ・MDMイギリス・MDMスウェーデン)は国際代表部に恒常的な援助を提供しています。寄付金集めなどの資金面や、人材面において国際代表部を支援する支部は、世界の医療団国際ネットワークの活動の大きな支えとなっています。

世界の医療団の国際ネットワークに加入している各団体は、主にボランティアの医師たちから構成されています。各団体の様々な支援活動は医師、外科医、助産師、看護師、心理療法士などの医療関係者を中心とした専門家の協力によって実現されています。その他にも、コーディネーター、アドミニストレーター、ロジスティシャン、人権擁護活動家などが活動を支えています。

創立のきっかけとなった「人道危機」に対処するため、世界の医療団は活動範囲を拡大しています。今日、国際代表部は世界全大陸に及んで、現地での復旧活動、予防活動、開発援助活動なども行っています。

国際代表部が増加した結果、各団体間の衝突も増え、1994年、世界の医療団国際ネットワークは調整機関の設置を決定しました。翌年の1995年、世界各地で展開される国際代表部の活動の連携・調整を図るために国際事務局が設置されました。

- 主な活動、出来事

- 1969年 : ビアフラ戦争。
- 1971年 : 国境なき医師団設立。
- 1979年 : 「イル・ド・リュミエール(光の島)」号プロジェクト、「ベトナムの船」プロジェクト。
- 1980年 : フランスにて世界の医療団設立。
- 1981年 : エル・サルバドル内戦時に60トンの食糧と医薬品を空輸。
- 1986年 : 世界の医療団「Mission France(国内ミッション)」の誕生。   パリに受け入れセンターを開設し、治療や他の医療機関へのオリエンテーションを無料で行う。エイズ検診センターの開設。
- 1987年 : 世界の医療団アメリカ設立。
- 1987年 : 「介入する権利」を支持。
- 1988年 : 世界の医療団スイス設立。
- 1990年 : 人道支援活動に関するヨーロッパ憲章(クラクフ憲章)の採択。
- 1990年 : 世界の医療団スペイン、世界の医療団ギリシャ設立。
- 1993年 : 世界の医療団イタリア設立。
- 1994年 : ルワンダで支援活動を実施。
- 1994年 : 世界の医療団フランスによる注射器交換プログラムの開始。
- 1995年 : 世界の医療団キプロス、世界の医療団スウェーデン設立。
- 1995年 : 国際事務局の設置。
- 1996年 : 世界の医療団国際ネットワークが国連経済社会理事会の総合協議資格を取得。
- 1997年 : ルワンダにて、スペイン人ボランティア3人が殺害される。
- 1997年 : 世界の医療団オランダ設立。
- 1998年 : 世界の医療団アルゼンチン、世界の医療団イギリス設立。
- 1998年 : 世界の医療団の新キャッチフレーズ誕生:「私たちはあらゆる病と闘います。不公正という名の病とも。」
- 1999年 : コソボ、ティモール、チェチェンにて支援活動を実施。
- 1999年 : 世界の医療団ドイツ設立。
- 1999年 : 世界の医療団ポルトガル設立。
- 1999年 : 世界の医療団ベルギー設立。
- 1999年 : 世界の医療団カナダ設立。
- 2000年 : 世界の医療団日本設立。
- 2004年 : ジンバブエにて初の国際代表部共同プロジェクトを実施。
- 2005年 : 2004年12月26日の津波発生を受け、インドネシア、スリランカで支援活動を実施。

世界の医療団国際ネットワークの活動方針と価値観

世界の医療団とは何か?

世界の医療団とは複数の独立した組織で構成される国際連帯組織で、全ての人々が治療を受ける権利、人間らしく生きる権利を享受することを目指して活動しています。支援活動は医療関係者を中心として構成される各団体によって実現され、世界中の弱い人々に援助を提供しています。

人道医療支援を実現する団体として、世界の医療団は、治療を受ける権利は出生地や性別、人種、社会的地位、宗教に関係なく、すべての人々に与えられた基本的権利であると考えています。

治療する

世界の医療団の第一の使命は「治療する」ことです。世界の医療団の活動に参加するボランティアたちは世界で最も弱い立場にいる人々に支援の手を差し伸べます。その援助対象者は、武力紛争や自然災害などの理由から、非人道的な境遇に陥った人々や、世界で最も恵まれない地域で貧困に苦しんでいる人々、また、私たちの社会で医療から除外されたすべての人々など、多岐にわたっています。

世界の医療団の様々な海外医療支援プロジェクト : 

緊急支援プロジェクト : 

緊急支援プロジェクトとは、予期せぬ危機に襲われた結果、生活環境が破壊され、医薬品が過度に不足し、苦境に陥った人々を救済することを目的とした援助活動です。彼らの生存に不可欠な生活環境の整備を行います。

復旧支援プロジェクト :

復旧支援プロジェクトとは、緊急支援プロジェクトに続いて行われ、現地の保健衛生システムの立て直しを目的としています。病院や診療所などの復旧、医療物質の提供、現地の医療スタッフの育成などを行います。また、被災者が肉体、精神の両面から回復できるように支援します。

長期開発支援プロジェクト : 

長期開発支援プロジェクトでは、長期的な支援を通して、現地社会の貧困や差別問題の解消を目指します。

証言する

世界の医療団は医療支援活動と同時に証言活動も行うことで、治療を越えた活動を目指しています。あらゆる団体、公的機関から独立した医療活動を通して、世界の治療団は治療支援を実施する上での障壁となるもの、人権を侵害するものを証言します。世界の医療団は最も貧しい人々の保健衛生環境を向上し、治療へのアクセスを可能にするため政治にも働きかけます。

クラクフ憲章

人道支援活動に関するヨーロッパ憲章は1990年3月31日、クラクフで調印され、クラクフ憲章と呼ばれています。世界の医療団の活動の基本方針はこの憲章に基づいています。

世界の医療団の連合プロジェクト   国際代表部はそれぞれ独立していますが、同じ一つのプロジェクトの下に連帯して活動にあたっています。連合プロジェクトには世界の医療団の使命、活動内容、目的が記されています。